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三太の朝

“サンタさんが本を届けます”

本屋さんの入り口に貼られていたポスターに心ときめき、
12歳までのところを「13歳です」だなんてごまかして
本屋さんのオジサンとオニイサンの嵐のような訪問を受けた
去年のクリスマス。


「どうせ呼ぶなら青い目をした本物のサンタさんにしてね」

ムスメはいつものように冷たく言い放っていたけれど、
楽しかったよね。
朝早くから周りのオトナ達で盛り上がってさ。


どうせならムスメ10代最後のクリスマスもサンタ呼びたいじゃない。
毎年恒例の本を届けるにしても、本屋さんのオジサンとオニイサンではなく
青い目をしたサンタを!

まだ暑い盛りから計画は始まっていました。
すぐ近くに手頃な人材が転がっていたことに気づくまで、
果たしてどうしたものかと悩んでいたのです。


よくよく考えてみれば、手頃な人材はいそがしい。
いくら「喜んでやるよ」と言ってくれたとしても業務に支障をきたしてはいけない。
そのうち手頃な人材の他にも「三太になってみたいやつ」が出てきたりして、
当日はいったい何人の三太がやってくるのか、ぎりぎりまで不明。

三太になるのは結構。
ただし、三太になる小物はみんな自腹で揃えたらしいけど、
請求書が届くのではないかと不安でなりません。
袋の中身も自腹でしたよね・・・。


三太集合は25日午前5時。

何が楽しくてこの時間?
三太は夜が明ける前に仕事を終えなければなりません。
誰です?それは吸血鬼だといったのは。
無責任オトナ達のスケジュールを照らし合わせたら
この時間になってしまったのです。


この時間、ダイガクセー@ムスメはまだ爆睡中であることは間違いない。
それならいっそのこと、オトナ達全員でムスメの部屋になだれ込み、
寝込みを襲うしかない。
ほら、テレビで時々見かける寝起き、あれと一緒。
やらせでもなんでもなく本物の寝込みを襲い、
ムスメにはすがすがしく素敵なクリスマスの朝を迎えていただこうではありませんか。
なんて贅沢なクリスマスプレゼントなんでしょう。


ただ、この計画には大きな誤算がありました。
わたし、午前5時までに出かける用意を終えていなければならない。
しかも三太のみなさんはウチでご飯を食べてから仕事に向かうって言うじゃないの。
いったい何時に起きればいいの?
うううっ・・・涙が出てきそう。


いや、泣いてはいられない。
オトナ達はみんな、玄関からではなくバルコニーから静かに入ってくる。
部屋を暖めておかなくては。

仕事でよれよれの体に鞭うち朝食の用意をする。
まったく。おかげでほぼ徹夜に近い状態。
わたしだけでなく、三太をはじめ他のみなさんもあまり寝てはいない。

唯一、あのお方だけは元気です。
そう、ボス。
「鍵が開いていない」とケータイ鳴らしてくださったのは午前4時。
いくら何でも早すぎる。

ボスがボスなら部下も部下。
4時半に全員が揃うってどういうことなのでしょう。
決行と集合を間違えているのでしょーかっ。


とにかく時間に遅れることなくオトナ達が集まったら
とっとと行動を起こしましょう。
小声で話し合うのも疲れますし。


わたしもミニスカ三太になりたかった。
買ってくればよかった。失敗した。
気がつけば、三太になっていないのはわたしとボスだけ。
ジョシもどさくさに紛れて三太になってる。


三太ご一行さま(除く二名)はぬきあしさしあしでムスメの部屋に。
ダイガクセーさま、予想通りの爆睡。
爆睡どころかひどすぎる寝相だよん。
万歳だし、片足はみだしているし。
おまけにイビキ!


「ムスメちゃん、おきて」

おきない。

「ムスメちゃん、めりーくりすます☆」
三太計画最初に白羽の矢をあてた三太が体をゆする。

おきない。


まてよ。部屋真っ暗じゃん。
これじゃあ三太か何か判別不能。
起こすためにも部屋の明かりをつける。
みんなで何度か声をかけたところでやっと目を開けるムスメ。



クリスマスの朝、三太に起こされて何というか。



「はぁ?なにやってるの?」


何やっているのって・・・
クリスマスだもの、三太に決まっているじゃない。


「朝早くからヒマだねぇ~~」
驚きもせず、喜びもせず、いたって冷静。


落胆もせず、袋からプレゼントを取り出し机の上に置く三太ご一行。



まっ、あの子はいつも冷静だものね。
「ちょ~うれしいんだけどぉー」なんて言われるよりいいよね。
心の中では絶対に喜んでいるよね。
だってリクエスト通りの青い目の三太におこされたんだから。
ご本人、わたしたちの顔見てまた寝ちゃったけど、
きっと夢の中で笑っているよね。


ご一行さまは三太のままで、お茶をすすりご飯を食べる。
いいことをすると気分がいいね。
一仕事を終えたあとのご飯はおいしい。
そんなことを言いながら。



「あのさぁ、青い目の三太なんて来なかったじゃん」


いるよ、ちゃーんと青い目の・・・
あーーー青じゃなかったぁ。
茶色だったぁ!!!

まさかのミス。

青だと思っていたのに、よくよく見てみたら茶色!
他の三太も青じゃない。
肌の色はホンモノの三太と同じだけれども、
目の色だけがビミョーに違う。


この問題は来年に持ち越しとなるのでしょーか。



まだムスメが小さかった頃は、三太に会うために寝ない努力をしていたり、
寝ていると思って部屋に入ってプレゼント置いた瞬間に起き上がってみたり、
かわいらしいことをしてくれたというのに、
机の上に積み上げられたプレゼントの一番下にあった
わたしとオットからのプレゼントに気づいてくれたのは一番最後。
しかも三太の名前を書いていなかったので
わかってくれたのかどうかさえも不明。

ダイガクセーになると面白くないね。

小さい頃の「きゃー」っていうのがないから
ほーんとつまらない。
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お茶屋

大人の階段を そうやって登って行くんですね・・・
by お茶屋 (2009-12-26 14:31) 

masa

お茶屋さん、
登れば登るほど
親から見た面白さがなくなっていくんですね・・・。
つ~ま~ん~な~い~のぉ~
by masa (2009-12-30 05:43) 

masa

ほーりーさん、ありがとうございます。
by masa (2009-12-30 05:43) 

masa

ゆっきぃちゃん、ありがとうございます。
by masa (2009-12-30 05:44) 

masa

Binさん、ありがとうございます。
by masa (2009-12-30 05:44) 

masa

つなみさん、ありがとうございます。
by masa (2009-12-31 16:00) 

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